格安中華タイヤ(ハイフライ HF201)を試してみた
格安中華タイヤ(ハイフライ HF201)を試してみた
我が家は3台の車を所有している。趣味のアバルト595、メインのデリカD:5、そして妻がメインで乗っているi-MiEVだ。
今回、格安タイヤを試すのはこのi-MiEV。小回りが効くサイズでありながら、パワフル&エコノミーで大変気に入っている。シティーコミューターとして重宝している。
ただ、欠点がないわけではない。その一つがタイヤ代の高さだ。i-MiEVは三菱渾身の軽「i」をベースに作られている。このiはエンジンを後方(後輪のすぐ前あたり)に配置し、後輪を駆動させるMR(ミドシップエンジン、リアドライブ)を採用している。フェラーリ等、ピュアスポーツが好むこの駆動方式の車は、前後のタイヤが異なるサイズで構成される事が多く、i-MiEVも例外ではない。
また、サイズ自体も軽自動車にしては大きく、独特なサイズなので一本がとても高い。
具体的なサイズは前輪 145/65 R15 後輪 175/55 R15。アマゾンでの価格は下の表の通り。ちなみにワゴンR等に採用されている最もコスパのよいタイヤは4本で15000円前後であることから、いかにi-MiEVのタイヤが高いかがおわかりだろう。(ちなみにローテーションもできない)
品名 |
前輪(1本) |
後輪(1本) |
4本 |
ヨコハマ エコス |
4700 |
6762 |
22924 |
5430 |
8542 |
27944 |
|
エナセーブ |
5659 |
9393 |
30104 |
エコピア |
7780 |
12703 |
40966 |
プレイズ |
8040 |
14000 |
44080 |
ハイフライ HF201 |
4210 |
4660 |
17740 |
前輪は各社に大きな差はないものの、後輪になると、最大で1万円ほどの差が発生している。
今回購入したハイフライ HS201は国内メーカー最安のヨコハマ エコスと比べてわずか5000円程度の差でしかない。一般の方ならエコスを選ぶと思うしそれが普通かと思う。
それでも僕はハイフライを試してみたかったのだ。最大の理由は減りの早さだi-MiEVユーザーなら周知の事実だが、この車、前輪の消耗がとても早い。車両重量が重いこと、MRゆえにハンドリングの負担が多いことなどが理由でとにかく早く減るし、偏摩耗も多い。前輪は30000kmに届かないくらいのタイミングで交換が必要となる。
私はケチな性分で、物持ちがよい。なんでもとことん使い倒す。タイヤもできるならそうしたいのだが、こればかりは安全性に直結するものなのでそれなりのものを選びたい。でも安物を買うことに抵抗があるし、、要するに大きなジレンマを抱えていたのだ。
アジアンタイヤはここ10年で大きく躍進した。例えば、ハンコックタイヤはGT500やル・マン、ニュルブリンク24時間レースなどにタイヤを供給し、F1の技術審査を通過していると聞く。そのうちF1のサプライヤーとなることも現実味を帯びている。またBMWの7シリーズの承認タイヤに選定されており、ひょっとすると一部国内メーカーよりも技術力があるかもしれない。
日本人は自国の製品が一番だと信じて疑わない傾向にある。私も昔はそうであったが、最近では積極的に海外の製品を試すようにしている。スマートフォンをはじめとするハイテク機器において、日本は大きく出遅れている。価格競争はもちろんだが、技術競争においても後塵を拝しているように思う(搭載部品は日本製が多く、ある意味では一番賢い戦い方をしているのかもしれないが)。ひょっとするとタイヤもその可能性があるのではないか、というのが今回の趣旨だ。
今回はアジアンタイヤの老舗、AUTOWAYにて購入した。ハンコックやクムホなど、それなりに名の通ったブランドから、今回チョイスしたハイフライ、MOMO(ハンドルが有名)など聞いたことのないブランドまで多数の取り揃えが印象的だ。アマゾンの送料無料金額と同額で購入できた。おそらくAUTOWAYが牛耳っているのであろう。
九州からの発送で2日後には大阪の自宅に到着した。所見の印象は特段変わったところはなく、強いて言うならばバリとヒゲがたくさんあり、仕上げが雑な印象だ。ヒゲは金型の隅々までゴムが注入された証だし、バリは走行性能に影響がないので見た目だけの問題だ。早速持ち込み歓迎のタイヤ屋さんにて組み付けてもらった。特に手こずることもなく、バランスも普通にとれた。なんだか拍子抜けしてしまった。
さて実際に乗ってみた感想は「すごく普通」どんなタイヤでも、酷使したものから変えると大変よく感じられ、今回も例外ではない。転がりがスムーズでハンドリングやブレーキングに不安はなかった。ウエット性能も必要十分にある印象だ。
ごく普通に運転する分には全く不自由ないし、すり減ったタイヤで走り続けるよりよろしいことは明白である。あとは肝心の耐久性であるが、これはまた追ってレポートする。